① 操作の流れHOW TO SAIL
基本的な使い方は4ステップです。まずは大まかな条件を入れて一度実行し、結果を見ながら数値を調整していく使い方をおすすめします。
STEP 1
条件を入力する
基本情報・資産配分・年金・支出などをスライダーで設定します。
→
STEP 2
実行する
「シミュレーションを実行する」を押すと、指定回数のモンテカルロ試算が走ります。
→
STEP 3
結果を確認する
安全/注意/要注意バッジ、チャート、統計値を確認します。
→
STEP 4(任意)
調整・保存
改善案の計算、CSV出力、設定の保存を行います。
条件を変えるたびに「実行する」を押し直すまで結果は更新されません。複数パターンを比較したいときは、条件を変更 → 実行 → 結果を見る → 設定を保存、を繰り返すと管理しやすくなります。
② 画面の構成CHART LAYOUT
入力欄は上から順に、以下のセクションに分かれています。
| セクション | 内容 |
|---|---|
| 基本情報 | 現在の年齢、シミュレーション終了年齢、配偶者の有無 |
| 資産と運用 | 現在の総資産、投資信託・株式/個人向け国債/現預金の配分と期待リターン、暴落シナリオ、取り崩し順序 |
| iDeCo・企業型DC | 現在の残高、積立額、一時金・年金型の受け取り方 |
| 退職金・企業年金(DB) | 退職一時金、企業年金の第1年金・第2年金 |
| 収入 | 公的年金、その他収入1・2 |
| 支出 | 生活費(3段階)、インフレ率、住宅ローン |
| 税・社会保険料 | 居住区分、運用益への実効課税率、社会保険料率などの前提 |
| シミュレーション設定 | 試行回数、乱数シードの固定 |
| 結果 | バッジ、統計カード、チャート、改善案、CSV出力 |
③ 入力項目の定義SHIP'S MANIFEST
各セクションをタップ/クリックすると詳細が開きます。
基本情報 age / spouse
| 現在の年齢 | シミュレーションの開始年齢です。 |
| シミュレーション終了年齢 | 何歳まで試算するかです。この年齢時点で資産が残っているかどうかで「成功率」を判定します。 |
| 配偶者(扶養家族) | 「あり」にすると、配偶者の年金・社会保険料の扶養人数などが計算に反映されます。 |
資産と運用 stock / bond / cash
| 現在の総資産 | 一般口座・NISA等の合計額です。iDeCo・企業型DCの残高は含みません(別セクションで入力)。 |
| 投資信託・株式/個人向け国債/現預金 比率 | 3資産の配分比率(合計が100%でない場合は自動的に按分されます)。 |
| 期待リターン・変動幅(標準偏差) | 各資産の年率リターンを、指定した平均・標準偏差の正規分布から毎年ランダムに生成します。 |
| 暴落発生確率・暴落時の下落率 | 投資信託・株式に対して、指定した確率で毎年暴落(指定の下落率)が起こり得るという設定です。 |
| 取り崩し順序 | 生活費等の不足分をどの資産から取り崩すか。通常年は「投資信託・株式→国債→現預金」で固定。投資信託・株式のリターンが悪化した年は、深刻度に応じてここで選んだ順序(安全資産優先 or 残高比率で均等)に切り替わります(詳細は④参照)。 |
iDeCo・企業型DC DC pension
| 現在の残高 | 今の評価額です。「資産と運用」と同じ配分・期待リターンで運用されるものとして試算します。 |
| 掛金拠出年数 | 退職所得控除額の計算に使用します。 |
| 積立額(年額)・積立終了年齢 | 今後も掛金拠出を続ける場合の年間積立額と、それをいつまで続けるかです。 |
| 一時金として受け取る部分 | 金額と受け取り年齢を指定。退職所得控除を適用した上で1/2課税される「退職所得」として扱います。 |
| 残額を年金として受け取る部分 | 受け取り開始年齢と受け取り期間を指定。残高を期間で按分しながら取り崩し、公的年金と合算して「雑所得(公的年金等)」として課税します。 |
退職金・企業年金(DB) lump sum / annuity
| 退職一時金 | 金額と受け取り年齢。退職所得として課税します。 |
| 勤続年数 | 退職所得控除額の計算に使用します(退職金・DB一時金で共通)。 |
| 第1年金 | 「一時金」か「終身年金」かを選択。終身年金を選ぶと、指定した年額を生涯(シミュレーション終了年齢まで)受け取り続けます。 |
| 第2年金 | 一時金部分(金額・年齢)と、年金部分(開始年齢・受け取り期間・年額)を同時に設定できます。年金部分は指定した年額を有期で受け取ります。 |
収入 pension / income
| 公的年金(65歳受け取り時の標準額) | 65歳で受け取る場合の年金額を入力すると、受け取り開始年齢に応じて自動的に増減した金額を計算します(繰下げ+0.7%/月、繰上げ-0.4%/月)。 |
| その他収入1・2 | 就労収入や家賃収入などを2本まで設定できます。それぞれ独立した金額・期間(1は終了年齢のみ、2は開始・終了年齢を指定)を持ちます。基礎控除のみ適用する簡易計算です。 |
支出 spending / mortgage
| 生活費(アクティブ期/中間期/後期) | 年齢とともに支出が減っていく「老後の支出スマイルカーブ」を3段階で表現します。切替年齢も指定できます。 |
| インフレ率 | 生活費に複利で適用されます(住宅ローンの返済額には適用されません)。 |
| 住宅ローン(年間返済額・開始/終了年齢) | 名目固定額として、指定期間中は生活費とは別枠で支出に計上します。 |
| 一括返済(繰上げ返済)額・年齢 | 指定した年齢に一度だけ一括返済額を計上します。 |
税・社会保険料 tax / insurance
| 居住区分(1〜3級地) | 住民税の非課税限度額の判定に使う級地区分です。政令指定都市など多くの地域は1級地です。 |
| 運用益(一般口座)への実効課税率 | 投資信託・株式・個人向け国債・現預金の運用益に、毎年その場で課税する簡易モデルの税率です(詳細は④参照)。iDeCo内の運用益には適用されません。 |
| 国保・後期高齢者医療 所得割率/均等割 | 社会保険料の概算計算に使う前提値です。 |
シミュレーション設定 Monte Carlo
| 試行回数 | 1,000/3,000/5,000回から選択。回数を増やすほど結果が安定します。 |
| 乱数シード | 「固定する」を選ぶと、同じ条件・同じシード値で毎回同じ結果が再現できます。条件変更の効果を比較したいときに便利です。 |
④ 計算ロジックの考え方NAVIGATION RULES
モンテカルロシミュレーションと代表パス
毎年の運用リターンを乱数で生成し、これを指定回数(例:3,000回)繰り返して、多数の「資産推移パス」を作ります。「中央値」「上位10%」「下位10%」は、それぞれ最終資産額の順位が該当するパスをまるごと1本選んだものです(年ごとの平均値ではありません)。「ストレステスト」は、受給直後に大暴落(既定では-40%相当)が来た場合を仮定した、乱数を使わない決め打ちのシナリオです。
Scenario Selection — 代表パスの選び方
横軸は「最終資産額」の順位。分布の中から実際にシミュレートされた1本のパスを、順位が近いものとして選び出します。
資産の取り崩し順序ロジック
毎年、年金等の収入から税金・社会保険料・生活費・住宅ローンを差し引いた「不足額」または「黒字額」を計算し、資産残高に反映します。
Withdrawal Logic — 取り崩し順序の決定フロー
「選んだ順序」=ユーザーが指定した「現預金→国債→投信・株式」または「残高比率で均等」。下落の深刻度に応じて継続年数が変わります:-10%以下→当年のみ/-20%以下→2年/-30%以下→3年/-40%以下→4年。保護期間中にさらに下落が起きた場合は、残り年数と新しい下落の年数の長い方が採用されます。判定には投資信託・株式単体のリターンを使用します(3資産の加重平均ではありません)。
年齢別の収入・支出タイムライン(イメージ例)
複数の収入・支出は年齢に応じて独立にオン・オフされます。以下は一例です(実際の年齢はご自身の入力値によります)。
Example Timeline — 60〜90歳の一例
帯(バー)は継続的な収入・支出、丸印は一時金・一括返済のような単発イベントを表します。期間が重なる収入は自動的に合算されます。
⑤ 結果の見方CHART READING
安全・注意・要注意バッジ
● 安全
成功率85%以上。試行の大部分で資産が持続する結果です。
● 注意
成功率60〜84%。下位シナリオでは資産が尽きる可能性があります。
● 要注意
成功率60%未満。現在の前提では資産枯渇のリスクが高めです。
統計カード・チャート
| Success Rate(成功率) | シミュレーション終了年齢まで資産が尽きなかった試行の割合。 |
| Median Outcome(中央値の着地) | 中央値の代表パスが、終了年齢時点で残していた資産額。 |
| Stress Test(ストレステスト) | 受給直後に大暴落が来た場合の着地資産額。 |
| チャートの帯 | 上位10%〜下位10%の代表パス(CSVの数値と一致します)。 |
改善案の自動提案
「改善案を計算する」を押すと、以下のパターンを同一の乱数条件(固定シード)で試算し、成功率の変化を比較します。現在の入力設定自体は書き換えません。
| 支出を年間30万円削減 | アクティブ期・中間期・後期の生活費をすべて30万円/年ずつ減らした場合。 |
| 収入を年間50万円増やす | その他収入1を50万円/年増やした場合(必要に応じ受取期間も延長)。 |
| 年金を70歳まで繰下げ | 公的年金の受給開始年齢を70歳に変更した場合。 |
| 株式比率を50%へ変更 | 投資信託・株式比率を50%に引き上げ、国債・現金は元の比率のまま残りを配分した場合。 |
CSVの列
| シナリオ | 中央値/上位10%/下位10%/ストレステストのいずれか。 |
| 資産残高_合計/各資産 | その年末時点の資産残高(合計と3資産の内訳)。 |
| 年金収入 | 公的年金・DB年金・iDeCo年金型を合算した金額。 |
| 各資産の運用収益 | 投資信託・株式/個人向け国債/現預金それぞれの、その年の運用益(課税後)。 |
| その他収入(一時金等) | その他収入1・2に加え、退職金・DB一時金・iDeCo一時金などの単発収入を含みます。 |
| 生活費/住宅ローン返済額/税金/社会保険料 | その年の各種支出。 |
| 各資産のリターン(%)・加重平均リターン(%) | その年に実際に使われた運用リターン率。 |
粒度を「月次」にすると、年間の値を月割り・線形補間した近似値になります。
⑥ 注意事項CAUTION
本ツールは資産推移の傾向を把握するための簡易シミュレーターであり、税制・社会保険制度を簡略化したモデルに基づく概算値を表示するものです。投資助言・税務相談・法律相談を目的としたものではなく、特定の金融商品・銘柄・金融機関を推奨するものでもありません。実際の資産設計・税務申告・社会保険の手続きにあたっては、税理士・社会保険労務士・ファイナンシャルプランナー・弁護士等の専門家にご相談のうえ、ご自身の判断と責任で行ってください。詳しい注意事項はシミュレーター本体の下部をご参照ください。
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